「孫子」とは~家康や信玄も愛読し風林火山にも引用された兵法書!ビジネスに活かすには!

出典:http://flickr.com/photos/bluefootedbooby/370458424/

 

「孫子」とは、中国の軍事思想家・孫武が紀元前500年頃に著した兵法書です。

NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」18話でも
孫子の書物から政次の真意が判明します。

 

孫子は、13篇からなる
戦争に勝利するための方法を
分析・研究し理論的にまとめたもので
日本には8世紀頃伝わったとされています。

多くの武将たちに愛され、
徳川家康や武田信玄もこの書を手にしたといわれています。

有名な武田信玄の旗印「風林火山」も
「孫子」の一節を引用しつくられたものです。

2500年前に記された兵法書ですが、
実は、戦争がいかに愚かなことで
失うものが多いかを第1章から述べている反戦の書でもあります。

戦わずして勝つことが最良とする
孫子の軍略は、現代ビジネスにおいても
十分活かすことが可能です。

本記事は孫子の言わんとするところをまとめ
現代ビジネスに活かす方法をまとめたものです。

 

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「孫子」とは~兵法書13篇を解説・ビジネスに活かせる!

【第一章】計篇~戦争は存亡の道!

計篇は戦争を始める前に考えておくべきことを述べています。

孫子曰く、兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず

戦争とは国家の大事である。
国民の生死にかかわることで、
国家存亡の分かれ目ともなる。
したがって、戦争を始めるときには
よく考えてからするべきである。

 

第1章から戦争はよくよく考えてから始めるべきだと説いています。
基本、戦争はよっぽどのことがない限りは、しないほうが良。
つまり兵法書でありながら反戦の書だと述べたのはこのことからです。

戦争を始めるかどうかの判断基準は、

・道・・・大義名分があるか

・天・・・時期や天候が適しているか

・地・・・「地の利」があるか

・将・・・大将(君主・殿さま)の器が大きい人か

・法・・・軍のまとまり(物心両面)

戦争をする時にはこれらを熟慮しましょう、ということです。

 

そして孫子は計篇において

兵は詭道なり。故に能なるも不能を示し、用なるも不用を示し、

近くともこれに遠きを示し、遠くともこれに近きを示し、

利にしてこれを誘い、乱にしてこれを取り、実にしてこれを備え、

強にしてこれを避け、怒にしてこれを撓し、卑にしてこれを驕らせ、

佚にしてこれを労し、親にしてこれを離す。

その無備を攻め、その不意に出ず。

これって、現代処世術ですね!

サラリーマンの処世訓みたい(笑)

だって、お仕事も戦いですものね。

有能なのに、無能な振りをする。
本当は必要なんだけどわざと要らないふりをして、
近いのに遠く見せたり、遠いのに近く見せたり、
相手に有利だと思わせて誘い出す。

誘いだしたら掻き乱し混乱させてやっつける。

 

能ある鷹は爪を隠し、
相手を油断させおびき出す。
掻き乱し戦法を使い、相手が混乱したところで初めて爪を出す!

 

さらに、充実している相手には準備を整えてからかかること。
強い敵とは戦わないこと、
相手をワザと怒らせ挑発し、心を乱すこと。
そして、次は低姿勢に対応し隙を作らせる。

休養している者は疲れさせるようにし、
仲良くしている者同士は引き離す。

こうして、無防備なところを隙をついて攻めたてる。

 

やなやつですね~~。

だって、だましのテクニックですから。
いざ、戦うこととなったら、
このくらい用意周到でなければならない、
ということです。

 

決して、相手のペースにはまらないことですかね。

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【第二章】作戦篇~戦うのなら、短期決戦!

戦争の準備と計画について述べています。

兵は勝つことを尊ぶ。久しきを尊ばず。

戦争は勝つことが大切であるが、
長引くことは良くないことだ、という意味です。

戦争は出来るだけ短期で勝利できるようにすべきである。
長引けば軍事費がかさみ国家が疲弊する、ということです。

『戦うならば短期決戦!』

そして、軍事物資の輸送には最も戦費が嵩むため

智将は務めて敵に食む

要するに、優れた将軍は、軍需品を
自国から輸送するのではなく、
敵地で調達する、ということです。

 

敵地で軍需品を調達するには、
敵地のことをよく理解していなければできません。

なので、それなりに有能でないとできないことです。
下手に略奪などを行えば
逆に恨みを買い、思わぬ自体となるやもしれません。

それは次の言葉に表されています。

敵を殺すものは怒なり。敵の利を取るものは貨なり

その旌旗を更え、車は雑えてこれに乗り、卒は善くしてこれを養う。

これを敵に勝て強を益すという。

これは、敵を殺す者は怒りの気持ちがあり
敵の物を奪おうとするのは恩賞がもらえるから。

戦利品で車を奪ったならば、
自軍の旗と付け替えて兵を乗せる。
捕えた敵兵には善行を行い
むしろ養ってやること。

そして味方にすれば、自国の兵として使うことができる。

 

 

つまり、勝利し、戦利品を獲ることで
さらに軍事力が強化されるというお話。

徳川家康は滅亡した武田遺臣を
多く召し抱えたことでも知られています。

武勇の誉れ高かった武田遺臣は
その後家康の天下取りに大いに力を発揮します。

家康は、孫子を熟読していたのではないでしょうか?

 

 

【第三章】謀攻篇~戦わず勝つ!

戦闘を行わず勝つ方法について述べています。

第三章では、有名な言葉が登場します。
おそらくこれまでに聞いたことがあるよ
って方が、ほとんどだと思います。

百戦百勝は善なるものにあらず。
戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり

さらに、

彼を知りて己を知れば百戦して危うからず

百回戦って百回勝ってもそれはは最上のことではない。
むしろ戦わずして降伏させる事の方がより善い。

と言っています。

これは、有名ですし
現代のビジネスにも通じることかと思います。

相手に勝負を仕掛け勝つことが最上ではなく
戦わずして相手に負けを認めるよう説得する。

十分な実力がないと
できることではないでしょうが
叩きのめして恨みを買うよりはるかにましです。

もちろん、交渉する懐の深さも必要でしょうけど。

 

NHK大河ドラマ
おんな城主直虎18話でも、
この「孫子」の兵法が出て来ます。

18話です。

高橋一生さんが演じる小野政次が
この書を読んでいたという設定で。

そして、孫子の兵法を踏襲しているような
セリフも出て来ます。

関連記事⇒おんな城主直虎18話あらすじ(ネタバレ含む)政次の真意が伝わる日が来た!?孫子の兵法書で!

 

また、‟彼を知りて己を知れば”は、
敵の情勢を知り客観的に分析できており、
自分自身の(自国の)情勢をも知っていたなら
百回戦っても危ないことがない。

これはもう有名すぎる言葉ですし
読んで字のごとし、ですよね。

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【第四章】形篇~勝利とは

攻撃と守備の態勢について述べています。

是の故に勝兵は先ず勝て而る後に戦いを求め、

敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。

これだけ読むと、何のこっちゃら!?
ですけど、

勝利する戦いとは、必ず勝てるような戦いをしようとする、
つまり、事前調査を怠らない、
ということでしょう。

 

それに引き換え敗れる戦、軍というものは
戦を始めてから勝つ方法を求めようとする、
というものです。

 

要するに、敗れるかもしれない戦に
行き当たりばったりで果敢に挑み
派手な勝ち方をするよりも、
用意周到に策を練り、水も漏らさぬ
隙の無さで巧みに勝利するのが優れた戦い方だと言っています。

難しい・・・。

戦うためには現状分析(内部・外部)と戦略ですね。

【第五章】勢篇~勢いを見定めること

軍勢の勢いを述べています。

凡そ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ

およそ戦いというものは、
定石とされている正攻法で敵と会戦し、
状況の変化に応じて、奇なる方法を用いて
勝つものである。

まずは正攻法で相手の戦術を見て
隙をついて奇襲をかける。

 

 

【第六章】虚実篇~隙間を狙え!

如何に主導権を発揮するかについて述べています。

攻めて必ず取る者は、その守らざるところを攻むればなり

これ、ビジネスでいえば、ポジショニングですね。

敵がいないところ(ポジション)を見極めて勝つ!

ライバル不在のブルーオーシャン
探せってところですかね。

見誤るとライバルだらけで
業績アップどころか、逆に叩き潰されてしまいます。

 

 

【第七章】軍争篇

先手を打ち、敵軍の切先を制する方法を説いています。

迂を持って直と為し、患を以て利となす

遠い迂回路を真っすぐな近道にして、
害のあるところを利益に転じることを言っています。

すなはち、
敵にわざと遠回りをすると見せかけて
なんらかの美味しい餌をぶら下げておき、
その隙に近道を通って敵よりも早く目的地に到達する。

ということです。

如何に敵を騙すか、ですね。

風林火山はこの章を引用しています。

其の疾きこと、の如く

その静かなること、の如く、

侵略すること、の如く、

動かざることの如く、

知り難きこと、陰の如く、

動くこと、雷霆の如し。

 

「動くときには疾風のように速く、

 そうでないときには林のように静まりかえる。

 いざ攻撃するとなると、燃え盛る火のように怒涛の勢いで。

 一方で動かないときにはまるで山のようだ。

 陰に隠れて姿を現さないかと思ったら、

 機を見て雷のように現れる。」

武田信玄の旗印・風林火山です!

 

【第八章】九変篇

 

戦局の変化に対応する九個の方法について述べています。

窮寇には迫ること勿れ

 

定石に囚われない臨機応変の策を九つ

①光陵には向かう事勿れ(高い凌にいる敵を攻めてはいけない)

②背丘には逆うること勿れ(丘を背にして攻めてくる敵を迎え撃ってはいけない)

③絶地には留まること勿れ(行く手がが塞がっているようなところにいつまでも居てはいけない)

④佯北には従うこと勿れ(わざと逃げ出す相手を追ってはいけない)

⑤鋭卒には攻むること勿れ(鋭い敵兵を攻めてはいけない)

⑥餌兵には食らうこと勿れ(こちらをおびき出そうと餌の兵に喰い付いてはいけない)

⑦帰師には遏むること勿れ(国に帰ろうとする敵を引き止めてはいけない)

⑧囲師には必ず開き(包囲した敵軍には逃げ道を必ず作る)

⑨窮寇には迫ること勿れ(窮地に追い込まれた敵軍をさらに追いつめることはいけない)

兵法ですけれど、⑤~⑨は
ビジネスや人間関係で活かせますね。

 

勢いに乗った相手と闘う(交渉する)のは不利ですし
安易に甘い言葉に乗せられては墓穴を掘ります。

負けを認めた相手を追いつめると
恨みを買いますし、思わぬ反撃に合うこともあります。
窮鼠追い込めば猫を噛むってやつですね。

【第九章】行軍篇~五感を使え!

進軍する際の注意点を述べています。

鳥の起つ者は伏なり。獣のおどろく者は覆なり。
塵高くして鋭き者は車の来るなり。

鳥が飛び立つのは伏兵(隠れ潜んだ兵)がいる。
獣が驚いて逃げるのは、奇襲攻撃の予兆である。
塵が高く舞っているのは、戦車が近づいているのだ。

物事には必ず前兆・予兆というものがある。
したがって、五感をフル稼働し
これらの情報を事前にキャッチすること。

そうすれば、事前に準備ができ
‟時すでに遅し”なんていうことにならずに済む。

ということです。

これは、ビジネスでも活かせますね。

先が見えない時代だからこそ、
備えあれば患いなし、です。

この行軍篇の面白い所は、
自軍の兵士に対する応じ方を示している点です。

これは、人材育成などに非常に役立ちそうですから
述べておきます。

数賞するは、窘しむなり。
数罰するは、困しむなり。
先に暴して後にその衆を畏るるは、不精の至りなり。

たびたび褒賞金や表彰をするのは行き詰る。
たびたび罰を与えることも行き詰る。
散々暴言を吐き部下を虐げておいて、
後でそのことを悔やんで気にするなんて
愚かしいことだ。

 

「上司、あるある」ですね~~。

手加減が難しいですよね。

片方にご褒美を挙げれば、もう片方がヤキモチ妬くし。

アメと鞭はバランス感覚が大切です!

 

 

【第十章】地形篇

地形による戦術を述べています。

六つの地形を示し、その場合どういうふうに戦うと良いのかを示しています。

通なる者有り、挂なる者有り、支なるもの有り、

縊なるもの有り、険なるもの有り、遠なるもの有り。

これは、

①通は、行き来しやすい地形のこと。
②挂は、進むは易く引きがたい地形のこと。
③支は、敵にも味方にも不利な地形のこと。
④縊は、くびれた地形のこと。
⑤険は、険しい地形のこと。
⑥遠は、自国から遠い場所。

これらの地形で戦う場合の対応策が述べられています。
なので、この辺はビジネスや実生活にはあまり役立ちませんね。

そして、最後にあのとっても有名な名言が!

彼を知り己を知れば、勝、乃ち殆うからず。

天を知りて地を知れば、勝、乃ち窮まらず。

敵を知り自分を知り、時節を知り地形を知れば勝、と言っています。

【第十一章】九地篇

九種類の地形と戦術を述べています。

また地形が出てきたのですが、
第十一章の場合は、戦場となる地域とその状況というところでしょうか。

散地、軽地、争地、交地、衢地、重地、圯地、囲地

ここはビジネスとあまり関わりないようなので
割愛させていただいて、ただこの九地篇で有名なのが

始めは処女の如くにして、敵人、戸を開き、後には脱兎のごとくして、

敵、臥せぐにおよばず

始めは処女のように振舞って敵を油断させ、
その後は逃げる兎のような猛スピードで
攻撃を仕掛けると敵は防ぐことができない。

ということだそうです。
やはり、相手を油断させる。

油断=隙ですからね。

時が来たならすかさずパンチ!
定石ですね!

 

 

【第十二章】火攻篇

火を用いた攻撃術について述べています。

火攻めには五つの方法があると記しています。

①人
②兵糧
③輸送物資
④倉庫
⑤陣営

どれも焼かれちゃ困る物ばかりですね。

ただ、これには時期があって、
星の動きを見て空気が乾燥して、
風の強い日を選んで攻撃するように示しています。

つまり火災が大きくなるような時期を
示唆していたということです。

この時代に、すごいですよね。

 

 

兵法だけではなく星読みや
統計学の知識もあったのでしょうね!

 

【第十三章】用間篇

間者を用いる術を述べています。
つまり、諜報活動・スパイ大作戦のことです。

 

而るに爵禄百金愛みて敵の情を知らざる者は
不仁の至りなり

金銭を惜しんで敵の情勢を知ろうとしない者は

不届き極まりない。

ということのようです。

 

それだけ諜報活動を重要視していたのでしょう。

彼を知り、己を知れば百戦して危うからず

というくらいですから。

如何に重要視していたかがわかります。

そして、

間より親しきはなく、賞は間より厚きはなく、事は間より密かなるはなし

と記し、最も信頼がおける者に高い(厚い)俸禄を出し、

これ以上の機密事項を知る者は間者よりほかはない。

いかに重要かを述べています。

これ兵の要にして、三軍の侍もて動くところなり

情報戦こそが戦の要であり、全軍はこれにより動くのである。

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まとめ

孫子は約2500年も前に
中国の軍事思想家・孫武がしるした兵法書です。

相当古いものなのに、
現代のビジネスに応用しても
ちっとも古臭くないし、役に立ちます。

孫子が最も強く言いたかったことは、

「戦わずして勝つこと」

これこそが、孫子が最も強調したいテーマです。

諜報活動により相手を知り、
できればかく乱させ戦意を失わせ
降伏にさせるのがベストである、と。

悠久の時を越えて、尚不変の教訓を
私たちに与えてくれます。

本当に素晴らしい書物が残っていて良かったですね。

では、本日も最後までお読みいただき、有難うございました。

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